上宮と下宮(かみのみやとしものみや)

出雲大社の摂社である上宮はスサノオ命と八百萬神が、旧暦神在り月に神謀をされる場所としてのお社です。



↑ 2枚 上宮と説明板

記紀の神話:国譲りのところで、タカミムスビ尊から大国主命は告げられます。

「現世の事は、私の孫(子孫である天照大御神)が執り行うので、あなた(大国主命)は幽世の神事を執り行いなさい。そして、あなた(大国主命)の住む天日隅宮(大きなお社)を造ろう。」

これらを大国主命は承諾しました。

ここで出てくる「天日隅宮」とは、現在の出雲大社の事です。

そして「幽世の神事」と、言うのが、永遠の神域とか死後の世界とも言われていて、その世界と現世は表裏一体で、幽世の決まり事によって現世の人の運勢や、出会いなどのなどが決まっていくと云われています。

毎年、旧暦の十月には日本中から神様がお集まりになられて、大国主命を中心に幽世の決まり事=神謀(かみはかり)が神議され、次の一年の運勢や縁が決まるとされています。

上宮は、この神謀が行われる神議場で、仮宮(かりのみや)とも呼ばれているそうです。

↑ 上宮 随神門からの様子

↑ 上宮にある井戸


出雲大社の末社である下宮は、天照大御神をお祀りするお社です。

↑ 2枚 下宮と案内板

上宮から稲佐の浜へと続く小道の三叉路にあります。

現在は民家の立ち並ぶ小道の中にありますが、元々は砂浜の中にある小島(小山)に建てられ、沈む夕日と共に参拝されていたように思われます。

また、出雲国造の祖は天穂日命です。

天穂日命は、スサノオ命と天照大御神の誓約(うけい)によって生まれた男神であり、天皇家の祖である天忍穂耳命の弟神であります。

天穂日命の母神である天照大御神をお祀りするのも頷けます。

↑ 下宮の先にある稲佐の浜にある弁天島

神仏習合の頃から明治までは弁天さま=市杵嶋姫命(いちきしまひめのみこと):誓約の際に生まれた女神。が、お祀りされていて、

明治以降は、豊玉彦命(とよたまひこのみこと)=綿津大神(わだつみのかみ)がお祀りされているそうです。<八大荒神社の玉依姫命の父神>

現在は砂浜になっていますが、元々は海中にあった離れ小島だったそうです。

↑ 下宮正面

上宮・下宮は両方のお宮をお参りするのが正式な参拝方法だそうです。

個人的には、少々距離もあって大変ですが、出雲大社から徒歩でゆっくりと散策しながら参拝されてみてはどうでしょうか。

出雲大社周辺には、まだまだ魅力的なお社や神話スポットがありますよ(^^)


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