島根県安来市広瀬町下山佐にある山狭神社は、イザナギ命、イザナミ命、速玉男命(はやたまのをのみこと)、事解男命(ことさかのをのみこと)をお祀りする神社です。
速玉男命と事解男命は共に、イザナギ命とイザナミ命が別れることになったときに誕生する神様です。
神話ーイザナギ命とイザナミ命の別れ
イザナギ命はイザナミ命の死を悲しみ、黄泉の国へイザナミ命を連れ戻しに向かいます。
しかし、イザナミ命は黄泉の国の食べ物を食べてしまっていて、そのまま地上へと戻ることが出来なくなっていました。
イザナミ命は、イザナギ命を待たせ、黄泉の国の神に相談しに行きますが、イザナミ命がなかなか帰ってこないので、イザナギ命はイザナミ命との約束を破って、探しに行きます。
すると、八つの雷神にまとわりつかれ、腐敗したイザナミ命を見つけます。
恐れたイザナギ命は、慌てて黄泉の国を出ようとしますが、気付いたイザナミ命は追手を差し向け、イザナギ命を追います。
何とか追手を振り払って、地上と黄泉の国の境へ帰ってきたイザナギ命は、千人でも動かせないような大きな岩を置いて、イザナミ命へ言います。
「もう、あなたは黄泉の国の人となってしまった。ここからこちらは、生きるものの地。だから。あなたは、もうこの先へ来ないでほしい。」
イザナミ命が言い返します。
「約束を破り、このような仕打ち。ならば、私は一日1000人の生けるものを黄泉の国へ連れてきましょう」
イザナギ命はこれに対して、言い返します。
「ならば、私は一日1500人の生けるものを生まれさせよう」
こうして、人間には寿命が出来たと言われています。
このイザナギ命とイザナミ命のやり取りが、日本書紀の一書では、お互いに穏やかに話し合いを行い、イザナミ命が
「もう別れましょう」
と、言うと、イザナギ命が
「お前には負けないつもりだ」
と、言って唾を吐いたときに生まれたのが、速玉男命と言われています。
そして、そのままイザナギ命が黄泉の国の穢れをパパっと掃ったときに生まれたのが、事解男命と言われています。
速玉男命と事解男命は生まれたタイミングからなのか、絶縁の神とか、物事を収拾させる神様として一緒に信仰されているようです。
山狭神社は、出雲之国一ノ宮の熊野大社と山を一つ隔てた場所にあり、スサノオ命が行き来した伝承もあるそうで、熊野大社とも所縁の深い神社とも言われています(^^)
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